2018年3月7日水曜日

ghostly poem 2




目の前に一枚でも壁が隔てられると
ぼくはこの壁の向うの世界が
だんだんと遠のいてゆく気持ちになる
壁が増えれば増えるほど
だんだんと寂しくなり
だんだんと虚ろになり
もしくはだんだんと幻想的にすらなってゆく
よくいえばそれによって想像力が齎されている

しかしやはり
このもどかしさはなんだろう?
それがたとえ透明なガラス窓だとしても
もどかしくてたまらない

それがたんに
ガラスを通ってぼくの瞳に映る像が
少なからず屈折した後で映し出されることによる
物理現象であれば、、、、

いや、たとえそうだとしても
ぼくがその向こう側に感じ取れるものは
壁の内側でぼくの生身が感じているものよりも
壁の厚さや枚数や形や性質以上に
なくなってしまっている


このもどかしさに耐えられない


ghostly poem 1


賑やかな教室は幻になった。
放課後、すべての生徒がいなくなり
校庭があくびをする。

疲れ果てた黒板と
置き忘れた教科書と
動き出しそうな机と椅子とが
青春を残り香に変えた。

彼らが抱く痛みや喜びを
自分なりに受け止めるためには
孤独を感じなければいけないと思った。

それだけがあの頃のぼくのすべてだった。