2020年4月30日木曜日

白い足跡


ぼくはおまえに呼ばれてついていく
天がける白い足跡を辿って
もう少しで暮れてゆく
見えない海の方へ

漂流物の中にも
ぼくの求めているものが
あるのだろうかと思って
隈なく探してみたよ

死んだ貝殻
腐敗した流木
汚らしい車輪
歪んだジュースの空缶に
片っぽだけの靴下

「ああ、ぜんぶ気持ち悪い!」
ぜんぶがぜんぶ
得体が知れないし
底無しに不気味でさ
生きていたときがあったのかと思うと
嘔吐でもしそうになってさ!

死んでいったものばかりを探してしまうぼくは
いつの間にか
今までのぼくではなくなっていくよ
本当に、、、

ぼくは砂浜にしゃがんでみた
そうして黄金のさざ波を
ひとつひとつ数えるんだ
そうすれば、ぼくの心もほら
おまえの足跡のように
美しくなれるのだからさ 
きっと