2018年2月5日月曜日

返事





返事が欲しい
ぼくは人間と会話しなければいけない。
だけど君たちからの返事が欲しい。
ぼくにとって君たちに語りかけることは
人間に対して以上の価値がある。
ぼくは自分で答えを出すことができない。
けれど人間に教えられたくはない。
言葉を喋らないから好きなんだ。
それは人間じゃなくて君たちのことだ。
だけど不安にもなる。
もしもぼくから言葉がなくなれば、、、
でもそれは、ぼくが人間だから持つ不安だろう。
ぼくが最初から君たちと同じ存在だったら
こんなことにはならなかったのだ、、、

返事が欲しい。
言葉じゃなくていい。
言葉じゃないほうがいい。
言葉であってはいけない。
君たちがそうしていることが返事なら
ぼくはとっくに語りかけるのをやめている。
だけどそれが返事だとは思わない。
思いたくない。
君たちはこういったことも許してくれる。
それもまた好きだ。
君たちはぼくの身勝手を無視する。
してくれる。
そんなところが良い。
そうであり続けて欲しい。
決してぼくを心配してはいけない。
そうなったらもう終わりなのだから。
ぼくと君とをつなぎとめていたものが
あっけなく崩れ去ってしまう。
するとぼくはどうなる。
君たちはどうにもならない。
だけどぼくは一体どうなってしまう。
考えたくもない。
いや、考える必要もない。
そんなことはないと信じているのだから。
そんな決め付けも君たちは許してくれる。
「いや違う!」と否定するのは決まって人間なのだ。
「知ってるさ!」と答えるのもまた人間だ、、、

返事が欲しい。
君たちと出会えるなら素敵だ。
だけどぼくは人間と出会わなければいけない。
そうしなければぼくもここにはいられなかったのだから。
人は人と、君たちは君たちと。
それではぼくと君たちは一体どういう関係で
どうしてぼくは君たちに語りかけられるのだろうか。
そんなことはわからない。
ちっともわかりっこない。
いや、わかるさ。
いつかきっとわかる。
ぼくは君のことを
君はぼくのことを。
そうやって信じるんだ。
それより他に仕様が無い。
それは君たちから返事をもらった時に
必ずわかることさ。
その時にぼくはようやく君たちと
通じ合えるのだろうか、、、

返事が欲しい。
君たちからの返事が欲しい。