心が大きな網ならば
あらゆる獲物を捕らえよう
心が一瞬の火花なら
流星よりも輝こう
心が宇宙の鼓動なら
見えないものにも涙しよう
晴れの日も雨の日も嵐の日も
俺はただ生きていることを信じて
まっしぐらに呼吸する
古くなってゆくものを
再び新しくするためではなく
新しいものをいつまでも
生み出し続けるために
ああ、俺の右目よ、映し出せ
朝日と出会いの美しさを
左目よ、映し出せ
夕空と別れのはかなさを
やせ衰えてしまった貧弱な手よ
お前は今そのすべてを
ささやかな箱舟に乗せて
照り輝く海と
風の息吹に託し
あの水平線の永遠の彼方へと
この終わりのない旅がいつまでも巡るよう
固く祈りを込めるのだ
翳りゆく空よ
今はおれにため息をつかせるな
たとえおれが清らかな大気を
夢のように浴び
飢えた胃袋を瑞々しい空気で満たしたとて
渇ききったおれの心が潤うことなど決してなく
むしろおれはそれを拒絶し
また大気の中へと吐き戻すだけ
しかし涙よ
溢れ落ちるにはまだ早い
近づきつつある嵐の叫び声にかき消されてしまう
今はまだ流れてはいけない
すべての暴風雨が止み
草木が蘇り
美しい雲が天の彼方から輝き出した時に
お前たちはこぼれ落ちるのだ
だから涙よ
その時はどうかおれに
ひとりっきりで泣かせておくれ
誰かの苦しみを慰めるものは
別の誰かの苦しみなのか
それともただそこにあるだけの
慈愛に満ちた言葉や優しげなまなざしなのか
どんなところにいても
どんな人と一緒にいても
孤独を感じるのはなぜなのか
ああ、けれども俺は
たとえそれがどんなものであろうとも
そのすべてがやがて俺の財産になるのなら
どんな孤独でもきっと耐え忍んでみせる
希望の滴が一滴でも降りかかれば
このたった一切れの糧さえも美味しく感じられるのだ！
人の冷たさに触れれば触れるほど
天のむこうのあなたからの果てしない愛を
私は感じることができるのだ
