2018年4月1日日曜日

ghostly poem 5





賑やかな空気に包まれた温かい休息所だったのだろうか。
そんなことは何もわからない、わからなくてもいい。
行き交う人波はぼくの方からそっと合流したのだろうか。
それとも人波の方からぼくに連なってきたのだろうか。
そんなことも何もわからない、わからなくてもいい。
何かを話しながら歩く人はゆっくりと
何も喋らずに歩く人はどこか早足で歩いていたのだろうか。
それとも実際はその逆なんだろうか。
そんなことだって何もわからない、わからなくていい。
ぼくはそのどちらにいるのかと考えた。
口を使って言葉を発さなくとも
ぼくは確かに何かに向かって語りかけているのだし
何かから語りかけられてもいるのだから。
だからぼくは、あるときはスローモーションのように
ある時は早送りのように歩いていたのだろうか、、、
いつしかぼくは満員のメトロに押し込まれていった。