2018年6月3日日曜日

どうか大事に届けておくれ



地上にこぼれ落ちたのは

交わしたばかりの 杯さ

泣いてなんかいられない
泣いてなんかいられない

まずは手紙をしたためよう
これは家族へ あちらは友へ
ついでにこれも
いつか愛した人たちへ

そろそろ行かなきゃならないよ
木の実を啄む小鳥たち 
どうか大事に届けておくれ
最後の音が 聞こえてしまうその前に

天へと飛んでいったのは
ミルクの香りの 唇さ

泣いてなんかいられない
泣いてなんかいられない

まずは手紙をしたためよう
これは昨日へ あちらは今日へ
ついでにこれも
いつか愛する人たちへ

そろそろ行かなきゃならないよ
雲に抱きつく小鳥たち 
どうか大事に届けておくれ
最後の虹が 見えてしまうその前に

地上にこぼれ落ちたのは
天へと飛んでいったのは
涙が書いた置き手紙

2018年5月31日木曜日

歴史を知らないわたくしは



歴史を知らないわたくしは
本日起こった戦争を
眠たい顔した野良猫の如く
跨いでゆくのでありました

歴史を知らないわたくしは
本日起こった戦争を
消え損なった雲の如く
感じているのでありました

歴史を知らないわたくしは
本日起こった戦争を
ぼんやりベッドに横たわり
眺めているのでありました


2018年5月24日木曜日

不思議な問いかけ


きみたちが
「あれはなに?」
って
とおく
とおくを
ゆびさすから
ぼくの
なげきや
かなしみは
不思議な
問いかけに
かわってくれたよ

みんな
雨は太陽よりも気まぐれだ
っていうけれど
本当のところはわからない

いつか
この雨が
やんだら
いっしょに
あの場所まで
行きたいね
なにも
わからなくたって
いいからさ
いっしょに
あの場所まで
行きたいね

2018年5月22日火曜日

君に革命を起こすうた



明日に希望を持てないときには
ちいさな声でうたえばいい

人波に押し潰されても
誰かに笑われても
独りが苦しくとも

構いはしない
ちいさな声でうたえばいい

しかし
もしもうたうのならば
本当の夢を
お前の声でうたうのだ

そうしなければ
たとえ大きな希望の火でも
一粒の涙で消えてしまう

うたうのならば
本当の夢を
お前の声でうたうのだ

そうしていれば
死神がお前を呼ぶ声よりも
明日の光が欲しくなる

夢を嘲笑うのは
人生の深い苦悩を
味わっていない者だけだ

本当に苦悩している者は
夢を描き続けること以外に
希望を見出せないのだから

君に革命を起こすうた
ちいさな声でうたえばいい


人生が ただ一冊の 本ならば


人生が
ただ一冊の
本ならば
このいのちさえ
パタリと閉じて
終わらせたのに

そうではないから
苦しくて
そうではないから
楽しくて
簡単には
終えられないまま
続くのだ

開いたままでも
閉じたままでも
誰に読まれる
つもりもないが

人生が
ただ一冊の
本ならば
このいのちさえ
パタリと閉じて
終わらせたのに