2018年5月20日日曜日

きみのいない世界


きみがいなくなった世界を
想像してみる
しかしそれは
黒く塗り潰された絵画を
いつまでも見続けなければいけないほどに
耐えがたいこと
それならば最初から
真っさらなままであればよかったのにと
思ってしまう

きみがいてこそ
素晴らしい無限の色調がある
きみがいてこそ
あらゆる風景や人物を
愛しさと共に描くことができる
なぜかといって
ぼくらの絵筆は
きみが動かしているも同然なのだから

それがもしも
きみがいなくなってしまうのなら
青々と広がる海も、空も
緑の木立も、淡き花々も
その繊細な色のすべては
だんだんと濁ってゆき
天真爛漫に羽ばたく鳥たちや
祭典に狂熱する人々たちも
みな魂を奪われ
生気を無くした石ころのようにさえ
描けなくなってしまう

 これが信じられないというのなら
 今すぐに君は
 僕らの前から消えてみればいいさ
 けれどそんなことをすれば
 ぼくらが創造する作品の数々を
 きみが鑑賞することも
 また出来なくなるけれど


2018年5月19日土曜日

分身


ぼくではない
遠吠えがする

けれど
行き交う人々の
影のような
エントツの煙の
行方のような
眠る草花の
香りのような
ブレーキランプのほの淡い
にじみのような
僕がいる

濡れた手紙も
渡せないまま
過ぎ去ってゆく
街の中
憂鬱な戯曲を
演じるように
雨はこころに
降ってくる

街灯の明かりは水の上
乱反射して傘の上
薄暗がりのぼくの上
私と傘と雨粒たちと
寂しさばかりが
照らされる

あの遠吠えは
ぼくじゃない

ぼくのであって
ぼくじゃない

ぼくではない

遠吠えがする

2018年5月17日木曜日



風のえくぼを見つけても
たそがれ時のもの想い
いっそつめたい夜霧のように
ひとり口ずさむ星のうた

ghostly poem






感じられるものに
霊的な驚異はない。
感じられるものには
人間の人智や感覚の
尊さや悲惨さがあるのみだ。
感じられざるものは
そのまま感じないままでいるときにこそ
人智や感覚を超えている、霊がいる、神がいる、不思議がある。

2018年4月16日月曜日

彼方より



彼方より
見えない力によって
啓示されているものに
絶え間なく
導かれる

そのために
間違いを犯すことからは
逃れようもなくなる

変えられる
信じなければ
生きていくことなどできない

このか弱い命が
償えるとすれば

それは

受け取ったものを
大切に
守ろうとすること

手放すことなどできない
ということを
ひと時も忘れずに
感じることなのでしょうか


La Crise de l'Esprit




政治とは権力の奪取と保持の意志である。
政治は人々に強制と幻想を働きかけるのだ。
人々はあらゆる権力の素材である。

政治精神の行き着く先は常に偽造である

Ambroise Paul Toussaint Jules Valéry〜


祖国を愛するまえに
貴様たちはどうして!
おお、神よ!
潔白ではいられないのか!
それでもこの国を
愛したいとおもうのは
ああ、なぜでしょうか!
そして、神よ!
あなたがそれを
許してくださるのは
どうしてなのでしょうか?
おお、神よ、、、神よ、、、